お正月を華やかに!お正月に縁起の良いお花と正月飾りの簡単な寄せ植え方法
お正月が近づいてくると、各家庭では新年を迎える準備を始めます。定番の門松やしめ縄はもちろん、正月花も欠かせない正月飾りのひとつと言えるでしょう。とはいえ、どんな花を用いて作ると縁起が良いのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、お正月を華やかに彩る正月花に使いやすいお花や、正月飾りの簡単な寄せ植え方法について解説します。寄せ植えを自分で作ってみたい方のための手順も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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1.
正月花とは
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2.
正月飾りに最適!縁起の良いお花
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2-1
松
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2-2
竹
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2-3
梅
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2-4
菊
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2-5
葉牡丹
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2-6
千両
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2-7
南天
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3.
簡単に正月花を手作りしてみよう
正月花とは
新年を迎える少し前になると、多くの家庭が玄関先に飾る、門松やしめ縄などの正月飾りは歳神様をお迎えするための目印や、家が十分に清められていることを示すためのものとされています。同時に、新しい年がより良いものになるように願い、繁栄を祈るために縁起が良いとされる花や植物を飾ることがあります。これを正月花と呼んでいます。
正月飾りに最適!縁起の良いお花
正月飾りには、縁起が良いとされているお花や植物がよく用いられます。ここでは、古くから使われている正月飾りに適したお花を紹介します。
松
松は古くから「神様が宿っている」と信じられてきた神聖な植物です。日本の長い歴史の中でも最古の和歌集と言われている万葉集でも、松が登場する和歌が詠まれているほど、人々にとって身近な植物と言えます。お正月飾りのひとつとして有名な門松は、歳神様が降りる場所の目印として飾られます。松は「不老長寿」「向上心」などの前向きな意味を持ち、青々とした葉に「健康で長生きできますように」という願いが込められます。
日本に生息している松は約6種類で、正月花としてよく使われるのは根引き松や若松です。種類によっては、切り花に利用されることもあります。家庭で正月飾りを作る際は、下の方の葉をきれいに除いて使うとアレンジしやすくなります。
竹
真冬でも青々とした葉を絶やさずに付ける竹も、正月花の候補のひとつです。強い風や嵐を受けても折れにくく、真っ直ぐ伸びる姿が強さや誠実さを思わせることから人気があります。竹には節目があるため、「節度を持った成長」も意味しています。また、竹のしなりになぞらえて、その時の状況に臨機応変に対応できる柔軟性も表しています。
日本では、古くから竹をさまざまな場面で用いてきました。例えば剣道の竹刀や伝統細工などが代表として挙げられます。昔から長きにわたって縁起物とされてきた竹は、正月花としてもぴったりのアイテムです。
梅
梅の花が日本に伝わったのは奈良時代の頃と言われており、「忠実」「上品」といった意味が含まれています。観賞用としてはもちろんですが、お腹の調子を整えたり、風邪を引いた時の薬として用いられたりと、人々の生活に寄り添ってきました。
品種改良されながら長い間親しまれ続けており、今でも日本のあらゆる地域で美しい花を楽しむことができます。梅は日本の和のシンボルとしても度々取り上げられるモチーフで、お正月にふさわしい花のひとつと言えます。
菊
菊も縁起の良い花としてよく用いられます。菊は古来の中国で不老不死の薬として扱われており、その触れ込みで日本に伝来したため、長寿を象徴する花としての意味を持ちます。中国には菊の香りづけをした「菊酒」で長寿を祝う「重陽の節句」という慣習もあり、日本でも平安時代など古くは「菊の節句」という行事が存在していました。
本来、菊は秋に咲く花ではありますが、栽培方法が多様化したことから年中気軽に手に入れられるため、正月花としても重宝されています。菊を飾ることで長寿を願う意味があるとされています。品種が豊富で色もさまざまですが、正月花に使うのであれば小ぶりのお花がおすすめです。菊はお供え用に使われることもあるため、大輪のものを使用してしまうと不幸を連想させてしまう可能性があるためです。スプレーマムやピンポンマムなどは、比較的使いやすいサイズと言えるでしょう。
葉牡丹
葉牡丹は江戸時代から正月花によく使われてきた植物で、縁起が良いとされています。お正月に限らず、冬になると玄関に飾られていることも少なくありません。本来、飾ると縁起が良いと言われていたのは牡丹の花でしたが、価格が高価なため気軽に取り入れにくく、安価で手に入り見た目も近い葉牡丹が用いられるようになったという経緯があります。葉が重なり合うような姿が「良いことが重なる」とされており、紅白に色づくことも正月花に取り入れられやすい理由のひとつです。
葉牡丹は別名「ケール」とも呼ばれ、日本では食用としてもよく馴染みのある植物です。日本に伝来する際も最初は食用として持ち込まれましたが、江戸時代には園芸が隆盛していたため、品種改良されて鑑賞に適した品種が誕生しました。
千両
「両」とは古来の日本や中国で貨幣として用いられたこともある単位で、「千両(センリョウ)」は「富」などの意味も表します。「お金持ちになりたい」「繁栄していきますように」といった願いを込めて正月花として使われます。赤い実を多く付ける姿が「お金がたくさん実っている」とされて縁起が良いと言われています。
元々、中国から伝来したときの名称は千両ではなく「仙蓼果(センリョウカ)」でした。そこから音の響きだけが残り、今日の日本では「千両」として親しまれています。よく似た植物に「万両(マンリョウ)」がありますが、千両に比べると実が若干小さいのが特徴です。また、上向きに実る千両に比べて、万両はやや垂れ下がったように見えます。
南天
南天は冬に実を付ける植物で、たくさん連なる赤い実が特徴です。古くから縁起が良い植物として知られており、お正月の飾りとしてよく使われているので、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「南天」という名称は、「難を転ずる」という言葉が転じて付けられたものです。当てられている漢字は中国語の「南天燭」や「南天竹」から取られたとも言われています。中でも火事や魔除けに特に効果があるとされており、長い間縁起物として用いられてきました。このことから、正月花にも取り入れやすい植物のひとつと言えます。
簡単に正月花を手作りしてみよう
正月花は、自宅でも簡単に手作りできます。寄せ植えの手順を紹介しますので、自分で作ってみたいとお考えの方は、ぜひチャレンジしてみてください。鉢のサイズは作りたいデザインや完成サイズによっても変わりますが、初めてなら7号前後の鉢を使うと作りやすくなります。お花は前述の正月花によく用いられるものなどを交えながらお好みで用意しましょう。水引を使う場合は、金銀を用いると赤白よりも上品な印象に仕上がります。
1.鉢の底に鉢底ネットを敷いて、土が水抜き穴からこぼれないようにします。
2.鉢底ネットの上に鉢底石を敷きます。厚さは2cm程度を目安にしましょう。植え込む植物が草花なら、大粒の赤玉土でも代用できます。
3.苗を仮置きして、全体のバランスを確かめます。
4.最も大きなポットで高さを調節し、培養土を入れます。一番上まで土を入れると水やりの際に土があふれてしまうので、2cm程度はウォータースペースとして空けておきましょう。
5.再度バランスを確認しながらポットの苗を鉢の中に配置します。根を傷つけないように注意して取り出すように注意します。
6.シャベルなどで培養土を入れ込んでいきます。根が隙間なく土で埋まるようにするとスムーズに作業しやすくなります。
7.割り箸などを使って土をならし、根と鉢の間に隙間ができていないか再度確認して完成です。
寄せ植えのほかに、しめ縄や門松などのお正月飾りも自作できます。最近では100円ショップなどでも松や牡丹、モスボールなどの小物がたくさん売られているので、寄せ植えと一緒に用意するのもおすすめです。