お正月といえば「初詣」?「おせち料理」?「福袋」?
お正月といえば、何を思い浮かべますか? 初詣、おせち料理、福袋、お年玉などなど、人それぞれお正月に楽しみにしていることやイメージがあるでしょう。しかし、意外と知られていないのが、お正月そのものの歴史や期間などの基礎知識。今回は、お正月がいつから始まったのか?お正月期間はいつまでなのか?といった基礎知識から、お正月の過ごし方までご紹介します。
目次
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1.
お正月の由来や歴史を知る
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2.
お正月はいつまで?1月7日までが松の内!
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3.
初詣、書き初めなど、お正月の過ごし方
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4.
お正月の過ごし方でやってはいけないことと伝えられていること
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5.
お正月といえば、欠かせない食の縁起物
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6.
新年を気持ちよく迎えるための「正月事始め」
お正月の由来や歴史を知る
日本のお正月は、もともとは、祖先に感謝し、先祖の霊を祀るものだったと伝えられています。その後、五穀豊穣の神様をお迎えし、その年の豊作を祈るようになったといわれています。詳しいことはわかっていませんが、日本の行事としては最古のもので、6世紀半ばには、すでに存在していたということです。また少なくとも平安時代後期には、「お年賀」の挨拶が始まっていたとされています。
現在のように門松やしめ飾り、鏡餅などの正月飾りが庶民の間でも行われるようになったのは江戸時代中期からで、おせち料理が食べられるようになったのもこの頃です。さらに初詣として神社に参拝するようになったのは明治時代以降で、都市部から始まった新しい慣習でした。現代のお正月のスタイルは、江戸後期に始まり、明治時代にかけて確立していったといえそうです。
お正月はいつまで?1月7日までが松の内!
お正月は「松の内」といって、1月7日までがお正月です。 ちなみに、元日(がんじつ)は年の初めである1月1日のことで、元旦(がんたん)とは元日の朝を指します。また1日から2日にかけて夜に見る夢を「初夢」といいます。初夢は、「一富士二タカ三ナスビ」といって縁起を担ぎ、一番目に「富士山」(不死)、2番目に「鷹」(高く飛んで強い鳥)、3番目に「茄子」(成す)を見ると良いとされています。この3つは、駿河国(するがのくに)の高いものの順で、時の将軍徳川家康が好んだものとして伝えられています。
お正月期間の最後の日は「松上がり」といって、地域にもよりますが、6日か7日は松飾りを取り外します。このことを「松送り」や「松納め」といいます。お正月に関する用語をまとめてみました。知っているようで知らなかったこともあるかも!?
初詣、書き初めなど、お正月の過ごし方
初詣
新年になり初めて神社や仏閣にお参りすることを「初詣」、または「初参り」といいます。初詣は元旦だけに限らず、混雑を避けて正月三が日(1/1〜1/3)にお参りしたり、1月7日までの松の内、もしくは、1月15日の小正月までにお参りすれば良いという考え方もあります。
書き初め
新年の始まりにカレンダーや日記を新しくし、一年の計や誓いを考えるという方も多いかもしれませんが、忘れてならないのは書き初め。お習字をする習慣がないという方も、気持ち新たに取り組んでみると意外に発見があるかもしれません。家で習字道具を用意するのが面倒という方は、近隣の習字教室や書き初めをさせてくれる場所を探してみるのも良いでしょう。
お正月の過ごし方でやってはいけないことと伝えられていること
各家庭に大切な歳神様をお迎えするお正月です。そのため昔からお正月にやってはいけないこととして伝えられてきたことがあります。
- 炊事場などの火や水を使ってはいけない(神様の食事される場所であるため)
- 掃き掃除などをしてはいない(神様を掃いてしまうため)
- 風呂に入ってはいけない(福の神様も流してしまうため)
- 包丁など切れるものを使わない(良い縁も切ってしまうため)
- 1万円札など大きなお金は使わない(散財する年になってしまうため)
三が日とまではいかなくても、元日だけは習わしを守るというご家庭もあることかと思います。「もはや、古い風習だ」などと思わず、少しだけ意識してみると、お正月の過ごし方も有意義なものに変わってくるかもしれませんね。
お正月といえば、欠かせない食の縁起物
お正月の縁起物はたくさんありますが、今回は「食」にテーマを絞り、寿留女(スルメ)と鏡餅・雑煮についてご紹介します。
寿留女(スルメ)
寿留女は、干したスルメイカのことで昔から祝い事には欠かせない縁起物です。長期の保存ができることから、寿留女の「寿」は長寿、「留」は一生嫁ぎ先に留まる、「女」は良い妻であるようにという願いが込められており、「噛めば噛むほどに味の出る良い夫婦になるように」という意味があるとされています。恵比寿様を祀る棚には、しめ縄が飾られ、寿留女や昆布、新巻き鮭などを飾る習慣が古くからあります。
鏡餅・雑煮
お正月といえば欠かせないものがお餅。お餅は、平安時代から神聖な食べ物として神様に捧げてきました。神様にお供えする「鏡餅」は、1月11日の鏡開きまで床の間や各部屋に飾っておきます。お供えした後のお下がりの餅は、揚げ餅や、お雑煮にしていただきます。雑煮は、地域によって具材や味付けは様々ですが、ハレの日の食べ物として、野菜や鶏肉、魚介などの具材と一緒に煮込んでいただきます。
新年を気持ちよく迎えるための「正月事始め」
12月ともなると、年の瀬ギリギリまで忙しいというようなこともあるかもしれませんが、何はともあれ晴れやかな気分でお正月を迎えるためには、お掃除をしておくことは必須ですね。
お正月の準備を始めることを「正月事始め」といい、この日から大晦日までにお正月の準備を進めていきます。江戸時代の江戸城では、12月13日に「煤(すす)払い」をしていたことから、この日を「正月事始め」とし、江戸庶民の間でも広まったとされています。ちなみに12月13日は、古代中国の暦占いで「万事進むに大吉」とされていたことからも、縁起の良い日としてお正月の準備を始めるのにふさわしい日と考えられたようです。 また、門松は、29日(苦立て)と31日(一夜飾り)は避けて、28日頃に立てるのが好ましいとされています。しめ飾りや鏡餅も門松と同じく、29日と31日は避けてお供えしましょう。
正月事始め以降に1年間のたまった不用品を処分したり、道具を片付けたりして埃を払います。そして新年に必要なものの準備を進めておきましょう。